学資保険は本当に必要なのか?
1.はじめに
子どもがいる人ならば、学資保険って一度は聞いたことがあると思います。
「よくわからないけど、子どものためになりそうだし、入っておこうかな」
などとあまり調べもせずに入っている人もいるのではないでしょうか?
でも、学資保険って、そもそも一体何のためにあるのでしょうか?
本当に子どものためになる保険なんでしょうか?
2.学資保険とは
学資保険のキャッチコピーには、「子どもへの愛を確かなカタチに」のような漠然としたものが多く、一体何のための保険なのかピンと来ません。
それでも、子どもの将来を心配しない親はいませんから、何となく子どものためなら入っておこうとなってしまいがちです。
そこで、学資保険とは何のための保険なのかをハッキリさせておきたいと思います。
生命保険などと同じで、毎月決まった額の保険料を払い続け、満期になれば満期金として給付金をもらうことができます。
学資保険は、その満期の際にもらえる満期金をもって教育資金に充てようという人が利用します。たとえば子どもの大学進学のためのお金を確保したいならば、満期を子どもの高校卒業時に設定することでその資金が確保できるというわけです。
つまりは、子どもの教育資金を計画的に積み立てておく事が目的です。
でも、これって学資保険である必要があるんでしょうか?
定期預金じゃダメなんでしょうか?
3.学資保険は必要か?
ここで学資保険のメリットとデメリットを挙げておきます。
学資保険のメリット
突然の事故で親が亡くなってしまったり、重度の障害を受けたりして収入が途絶し、保険料を支払うことができなくなってしまったときには、以後の保険料の支払いが免除されます。
一番大きなメリットは、死亡時には保険として機能するところでしょう。
しかし、よく考えれば生命保険に入れば済む話のような気もします。
銀行に預けておくと融通性があるのでいつでも引き出し使ってしまう可能性があるため学資保険に加入をして学費を貯めていくのに最適です。
貯金できない人にとっては、簡単に下ろせない学資保険は良いのかもしれません。
しかし、貯金できる人にとっては、簡単に下ろせない事はデメリットでしかないです。
学資保険は商品にもよりますが、払込み保険料よりも受け取れる総額が大きくなります。中には10%ほど増える商品もあります。
「10%増える」と聞くと非常に高利回りな感じがしますが、これは年利回りではなく、満期までに10%増えるという意味です。
ちなみに例では18年間で総額273万円を払い込み、満期時に300万円(プラス27万円)を受け取っているので、計算すると年利回りは1.4%程度になるようです。
資産運用という面では定期預金よりは有利そうですが、株や投資信託の方がより有利と言えそうです。
学資保険のデメリット
学資保険の最大のデメリットは、受け取る額が支払った額を下回る「元本割れ」のリスクがあることです。親や子どもの病気などに備えるオプションがあるものは総じて保険料が高く設定されているため、元本割れのリスクも高くなっています。
そもそも教育資金を積み立てる事が最大の目的なのに、大切な教育資金が元本割れしては元も子もありません。
元本割れを起こす可能性のある学資保険は、絶対に選ばないようにしましょう。
先に述べたように病気などに備えるには、他に医療保険や生命保険に入れば済む話です。
長期にわたって資金が拘束されるため、換金性が低いという点が挙げられます。しかも途中解約をすると元本割れする可能性が高いので、基本的には最初に決めた期間やりきるという覚悟が必要です。
人生には様々なイベントがあり、突発的に家族の怪我や親の介護などの予想外の事態が訪れる事があります。
そういったときに、まとまった資金を長期に拘束されているというのは、意外と大きなデメリットです。
予期せぬ事態に備えた資金が十分でない場合、不本意ながら一時的に借金をしなければならず、かえって金利などで余計な出費が増えるかもしれません。
4.まとめ
人それぞれ意見があるでしょうが、私は学資保険は無理に入る必要は全く無いと思っています。
教育資金は自分で計画的に積み立てれば良い話ですし、万一の事故や病気に備えるには、それに相応しい保険を選んで入れば良いと思います。
学資保険は、貯蓄と保障という全く別次元の話を、無理矢理セットにして販売している保険商品だと思います。
貯蓄と保障は分けて考えるべきです。セットになっても条件は有利にはなりません。
それでも学資保険に入りたい人は、保障よりも貯蓄性を重視すべきです。
保障は普通の生命保険などの方が、遥かに充実していると思います。